KID FRESINO - by her feat. 茂千代 [歌詞]

KID FRESINO - by her feat. 茂千代
EP『Salve』(2017.1.25)

Produced by Yusuke Sato
Lyrics by KID FRESINO, 茂千代

Electric Guitar: Takuro Saito  *斎藤拓郎(Yasei Collective)
Electric Bass: Jungo Miura  *三浦淳悟(ペトロールズ)
Drums: Kazunari Kakinuma  *柿沼和成(犬式)
Wurlitzer: Yusuke Sato  *佐藤優介(カメラ=万年筆)
Additional Vocal: mei

 

(茂千代)
あなたはメタファー 憧れのher
あなたと僕じゃ水と油
あなたはそれでもいてくれた
思い出 床抜けるほどのアルバム
あなたの喜ぶ顔が見たい
言葉にならない
One more time, One more chance
By your side 今度こそ一心同体
卒業できない山積みの課題
寸分狂わず汲み取りたい
あなたのソウル あなたのセンス
あなたの言葉にとらわれてく
キモいくらい For life All day All night
あなたが世界の中心
ライムを叫ぶ僕は途方に暮れる
New beginning 新しいルーティー

(-Hook-)
You're my girl Sorry about that thing
I always break your heart baby
I keep myself I keep myself
And you, and you, and you, and you

(KID FRESINO)
Play the music Hot lady No stress
Ship yourself JP to my address
俺のLipについたルージュを拭う手は
会うたび違うNail color
The secret eye contactで俺はやられた
Make you believe in me タトゥーを彫った
濡れたチークに触れ熱を覚えた
代わり映えねえってことは最高なことさ
Listen really girl
街の表情はまるで
真夏の終わりを知らすようなOne day
今夜君のFavorite verse hook
アカペラでSpitするから隣に置いといてくれ
もう乾いたConcreteに咲かせたFlowerは
Like a beginning 始めから
俺が生まれたとき君はまだ夢の中
俺が死ぬとき君は (What?)
君は...

(-Hook-)

(KID FRESINO)
I met the girl when I was 20
狭いClubで唐突 甘いHug Fallin in
人と違う目の色をしている君は
人とは違う世界が見えてるのか
なあ You like it? How about this?
You don't like it?
You go in? Where? Far from here?
It's all about her feelin
どこへだっていつだって行きてえように
My baby


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One more time, One more chance
山崎まさよしOne more time, One more chance」(1997年)のこと。恋人と別離し、日々の生活の中でふいに面影を探してしまう心情が歌われている。映画『月とキャベツ』(1996年)や『秒速5センチメートル』(2007年)の主題歌に起用されヒットした。活動初期から茂千代をフックアップしていたDJ KENSAWが2016年に亡くなり、茂千代はその喪失をメタファーとしてリリックの中に織り込んでいる。

●あなたが世界の中心 / ライムを叫ぶ僕は途方に暮れる
片山恭一による恋愛小説『世界の中心で、愛をさけぶ』(2001年)のこと。行定勲監督によって2004年に映画化され、略称「セカチュー」が同年の流行語大賞でトップテンに入るほどのヒットとなった。あるいは、アメリカの作家ハーラン・エリスンによるSF小説世界の中心で愛を叫んだけもの』(1969年)のこと。

●もう乾いたConcreteに咲かせたFlowerは
詩集『The Rose That Grew from Concrete(邦題:コンクリートに咲いたバラ)』(1999年)、あるいは2000年にリリースされた同名のコンピレーション・アルバムのことか。いずれも、ニューヨーク市マンハッタン区イースト・ハーレム出身の伝説的なラッパー2Pacによるもの。

●I met the girl when I was 20
KID FRESINOは1993年生まれなので、2013年頃。


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Fla$hBackSのKID FRESINOによるEP『Salve』の最後に収録されている曲。

茂千代は大阪を拠点にするラッパー。KENT WILDとDJ BENKEIと共に3人組グループDESPERADOとして90年代に活躍しました。TOKONA-Xが在籍していたグループILLMARIACHIの1stアルバム『THA MASTA BLUSTA』(1997年)収録の「Younggunnz feat. Shigechiyo, Kent」に参加。2008年、DJ KENSAWによるプロデュースのもと、1stソロアルバム『NIWAKA』をリリース。

DJ KENSAWは1997年にアナログ『OWL NITE』をリリース。「OWL NITE feat. OWL NITE FOUNDATION'Z」として、茂千代のほか、京都を拠点とするグループMAGUMA MC'sからRYUZOなど、6人のラッパーが参加。本人曰くメガネスーパーの看板から着想を得たという「オリジナル赤い目フクロウ」の別名があります。「真っ赤な目をしたフクロウ」という言い回しは、YOU THE ROCK★の「証言」(1995年)や「FUKUROU (YAKANHIKOU)」(1996年)で広まりましたが、もともとはDJ KENSAWが使用していました。

指先から相手の体温を共有する瞬間。出会う前の過去やこれから先の未来に思いを馳せる瞬間。相手の瞳の色とその目に映る世界を想像する瞬間。時間や空間を越えて、今此処から遠いどこかまで想像力が柔軟に屈伸するこの感じ。高い湿度のもと輪郭が曖昧になり溶け合っていくような、ウェットで温かさのある一曲。目の前の相手をつぶさに見ていて、愛情深さが垣間見えます。「会うたび違うNail color」にちゃんと気付いてるところもさすが。最後は女の子に語りかけるように、やわらかく優しい声で締めくくられています。

 

Salve

Salve